草津温泉の隠れた観光スポット『重監房資料館』でハンセン病を学ぶ

旅日記

重監房資料館

誰もが聞いた時のある有名な温泉【草津温泉
自然湧出量日本一を誇る豊富な湯量と
強力な殺菌力を持つ強酸性の湯
昔、豊臣秀吉が病中の徳川家康に草津の湯の特効を教え湯治を
奨めるなど数ある歴史上の人物も愛した名湯です

そんな草津温泉街から少しはずれた場所に
ひっそりとあるのが【重監房資料館】です

夏休み中の娘たちを連れて
キャンプ旅行の合間に訪れてみました

今回はそんな【重監房資料館】について記事にしました
けっして面白く、楽しい場所ではありません
どちらかというと悲しく、暗い歴史を学ぶ場所ですが
一度訪れてみる価値はあります

重監房資料館とは

重監房資料館

1938(昭和13)年から1947(昭和22)年まで使われていた【特別病室】
その実態はハンセン病患者を対象とした懲罰施設でした
入所者からは【重監房】と呼ばれていたそうで
正式な裁判なしに収監された入所者は電灯も暖房もない
四畳半ほどの監禁室に閉じ込められていました
およそ9年間のあいだに収監された93名のうち
じつに23名が亡くなったと言われています
2014(平成26)年に開設された国立【重監房資料館】
この重監房を原寸大で再現し
貴重な当時の資料やインタビュー映像
発掘調査によって得られた出土遺物などを展示しています

重監房資料館の詳細情報

重監房資料館案内図

〒377-1711
群馬県吾妻郡草津町草津白根464-1553
Tel.0279-88-1550 / Fax.0279-88-1553

アクセス:

  • JR新幹線軽井沢駅より草軽交通バス(草津温泉行)草津温泉バスターミナル下車、バスターミナルよりタクシー約7分、徒歩約45分
  • JR新幹線またはJR高崎線高崎駅より吾妻線乗りかえ長野原草津口駅下車、JRバス(草津温泉行)草津温泉バスターミナル下車、バスターミナルよりタクシー約7分、徒歩約45分
  • 車利用の場合
    東京・練馬IC-(約103km)-渋川・伊香保IC-(約60km)-当館

開館時間 フルオープン期間(4/26〜11/14・個人及び団体・学校見学)休館日は下記参照
9:30〜16:00(入館は15:30まで)
団体専用期間(11/15〜4/25・団体・学校見学のみ)
10:00〜15:30(入館は15:00まで)
入館料 無料 休館日 フルオープン期間(4/26〜11/14)
月・火(祝日の場合は翌日)、国民の祝日の翌日、館内整理日
団体専用期間(11/15〜4/25)
土・日、国民の祝日、年末年始、館内整理日

もののけ姫でも描かれた【ハンセン病】について学ぶ

ハンセン病

重監房資料館へ行く前に【ハンセン病】について
少し知識を深めてからから行くと
より一層リアリティを感じられると思いますので
ハンセン病について簡単に説明します

わたしは詳しく分からず娘3人と訪れましたが
みんなで勉強することができましたので
何も分からず訪れても問題ありません

ハンセン病

ハンセン病とは【らい菌】による慢性の感染症です
感染後、平均3年、長い場合には20〜30年という長い時間を経過したあとに
まず皮膚や神経に症状があらわれます

らい菌自体の感染力はきわめて弱く
95%以上の人が、らい菌に対する免疫を持っていま
たとえ感染したとしても自然治癒し
発症することはきわめて稀です
感染する可能性があるのは治癒をしていない人と緊密
かつ頻繁な接触をした場合のみで
免疫力の不完全な乳幼児や衰弱した人などに感染するといわれます

ハンセン病の誤解と差別

ハンセン病の進行が進むと
顔や手足などの目立つところが変形したり
不自由になったりすることがあっこと
有効な治療薬がなかっころは治らない病気と考えられていこと
同一の家族内で発病することがあり遺伝病と誤解されていこと
以上のような理由で差別が起きていました

誤った国策で国は1907年に「らい予防ニ関スル件」を制定しました
そして1931年には「らい予防法」を制定し
ハンセン病患者全員を療養所に強制隔離しました
そのため家族が強制的に別れさせられたり
ハンセン病は恐ろしい病気という誤解が生じました

重監房資料館のみどころ

重監房

スクリーンでみる映像資料

入館受付を済ませるとすぐに
レクチャー室と第一展示室で二種類の映像を見ることになります

Googleの口コミではこの映像が30分くらいあり
強制的に見せられるので嫌だとありましたが
実際に訪れるとそのとおりで
映像から見て、見終えてから館内を見学できるシステムでした

しかし映像を思っていたほど長く感じず
事前情報を学んでから見学できたのでよかったです

重監房資料館映像
重監房映像

当時の重監房全体模型

映像を見終えたらいよいよ見学開始です

まずは映像を見終えた第一展示室にある
【重監房全体模型】

重監房模型
重監房模型
重監房模型

重監房の収監者たち

当時の重監房へ収監された人たちの情報が
【重監房全体模型】近くの壁に個別で載せてあります
個人の名前は伏せてありますが
入室日、拘留期間、入室理由などが記載してあり
リアルさを実感できます

重監房収監者
重監房収監者
重監房収監者

当時の重監房(特別病室)を実寸大で再現

第一展示室右側の入り口から入って行くと
いよいよ重監房資料館の一番のみどころである
重監房(特別病室)へ

当時の収監者たちへの食事が再現されたものや
先ほど見た重監房の一室が実寸で再現されています
少し恐怖を感じながらも見て回ると
このような場所の何日も収監されていたのかと考えると
収監者たちの悲痛な思いがよぎります

重監房
右下の小窓から配膳されていた
重監房
収監者の様子まで(ちょっと怖いです…)
重監房
重監房
実際の食事
重監房資料館
冬の様子も再現
重監房資料館
左下の穴はトイレの汲み取り用

出土品や証言映像

再現された重監房から出て第二展示室へ入ると

2013年に重監房の残された基礎部分の
発掘調査をおこなった際に出てきた当時の
南京錠や収監者のメガネなど様々な遺物が
展示されています

また当時のニュース映像や収監者のインタビュー映像が
見ることができます

撮影禁止のため残念ながら写真は撮れませんでしたが
多くの遺物とそれに関する説明文を読み進んでいくと
さらに理解が深まっていきました

納骨堂

重監房資料館を出て駐車場の反対側へ行くと
【納骨堂】があります
納骨数や胎児の数などが記載されていました
とくに『命カエシテ』と刻まれた石碑が子供たちには
インパクトが強かったようです

納骨堂
重監房資料館納骨堂
重監房資料館納骨堂
重監房資料館人権の碑
重監房資料館納骨堂
重監房資料館納骨

まとめ

以上、重監房資料館について書いてきました
いかがだったでしょうか
うまく伝えきれてない部分もあるかもしれませんが
少しでも興味を持ったかたは
是非直接訪れることをおすすめします

なぜか『まっぷる』など観光雑誌には大きく取り上げられない
隠れた資料館ですが学ぶものは大きいです

草津温泉へ出かける際は一緒に回ってみるのも
良いのでわないかと思います

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